JetBrains IDE を AI エージェントのコクピットに: Air Alpha を試してみよう
こんにちは。JetBrains 堀岡です。
JetBrains IDE 向け AI コーディングエージェント統合プラグイン Air Alpha は 2026 年 9 月 2 日現在、JetBrains Marketplace からどなたでもインストール可能で無料で使うことができますが、大々的な発表はまだ行われておらず、Reddit での案内 など、限られたチャネルを通じて紹介されています。

JetBrains 日本チームでも、特定のお客様や、イベントでの紹介を始めています。その中で Air Alpha に関心をお持ちいただく一方、セットアップ方法や具体的な使い方をまとめた日本語の資料は、現時点ではまだ十分にありません。
そこで本記事では、Air Alpha を実際に試しながら、セットアップ方法と主な機能、JetBrains IDE でコーディングエージェントを使うメリットを紹介します。
Claude Code や Codex などのコーディングエージェントは CLI ベースで発展しているため、エージェントへの指示はターミナル、変更内容の確認は IDE、と複数の画面を行き来する使い方も増えてきています。
今回紹介する Air Alpha は、普段使っているコーディングエージェントを JetBrains IDE 内でより自然に扱うための新しいプラグインです。さらに、JetBrains IDE に内蔵された MCP サーバーと組み合わせることで、エージェントから IDE のコード解析機能を利用し、コンテキストやトークンの使い方を効率化できます。
現時点では名前のとおり、Alpha 版として提供されている実験的なプラグインです。ただし、コアな機能は一定のレベルの品質に到達していますので「コーディングエージェント中心の開発を JetBrains IDE でどこまで快適にできるのか」を本記事で紹介したいと思います。 なお、本記事は 2026 年 9 月 2 日時点での技術情報をベースにしており、以下で紹介している内容は今後変更される可能性があります。
Air Alpha とは
Air Alpha は、Claude Code、Codex、Junie、および ACP(Agent Client Protocol)に対応するエージェントなどを、IntelliJ ベースの IDE 内から利用するためのプラグインです。
すでにローカル環境にインストールされている対応エージェントを自動的に検出し、IDE 内の GUI チャットまたはターミナル UI(TUI)で起動できます。新しい AI モデルや独自のコーディングエージェントを提供するというよりも、利用者が選んだエージェントと JetBrains IDE をつなぎ、エージェントを使う開発フロー全体を整理することに重点が置かれています。
Air Alpha は、以前「Agent Workbench」という名前で公開されていた JetBrains のエンジニアたちの個人的な取り組みを発展させたものです。また、別途 ADE (Agentic Development Environment)として開発中、ベータ提供されている JetBrains Air の方向性を IntelliJ ベースの IDE 内にも取り込むことを目指しています。
これまで JetBrains は AI 関連の様々なツールを提供してきました。以下に JetBrains の AI 関連ツールの比較を示します。現時点では、AI Assistant プラグインはこれまで同様利用可能であり、Air Alpha と併用することができます。一方、同種のプラグインが複数存在するのはあまり望ましい状態ではないので、ユーザーからのフィードバックを得て、IDE と コーディングエージェントのあるべき姿を鑑み、JetBrains として注力するエリアを絞り込んでいく予定です。
JetBrains の AI 関連ツールの比較
| ツール名 | 特徴 | 提供形態 |
| Air Alpha (本記事で紹介) | JetBrains IDE 上での複数のコーディングエージェントを活用した並列作業を支援 | IntelliJ ベースの IDE プラグインとして提供。 |
| AI Assistant | IDE 上での一連の操作をAIで支援(コード生成、コード補完、コミットメッセージ生成、チャットなど) | IntelliJ ベースの IDE プラグインとして提供。 |
| Junie | JetBrains 独自開発のコーディングエージェント。様々なLLMに対応。 | CLI のコーディングエージェントとして提供。ACP(Agent Client Protocol) により JetBrains AI Assitant や Air Alpha、JetBrains Air App から利用可能。Air Alpha とは CLI でも連携可能。 |
| JetBrains Air App | AI エージェントを活用した並列コーディングを支援に特化した専用アプリ。IDEと比較すると動作が軽快。 | スタンドアロンアプリケーションとして提供。 |
Air Alpha のセットアップ
執筆時点(2026 年 9 月 2 日)で Air Alpha の最新バージョンは 262.8665.436 (2026 年 8 月 27 日リリース)サポート対象の IDE 、前提条件は以下です。
- IntelliJ ベースの JetBrains IDE 2026.2
- Claude Code、Codex、Junie などの CLI ベースのコーディングエージェント(Claude Code や Codex を契約中の場合、JetBrains AI のサブスクリプションは必須ではありません。JetBrains AI サブスクリプションで Claude Code や Codex を使う場合、こちらの JetBrains Centra CLI の記事をご覧ください。)
Air Alpha プラグインのインストール
- IDE の設定から「プラグイン」を開きます。

- Marketplace で「Air Alpha」を検索してインストールします。
- 必要に応じて IDE を再起動します。
最初に確認しておきたい Air Alpha の設定
Air Alpha に関する様々な設定を行うためのメニューの場所
「設定 | ツール | エージェントワークベンチ(英語の場合 AIR)」
から、各種設定を行うことができます。なお、「エージェントワークベンチ」は古いプラグインの名称なので、今後のリリースでは、日本語名称も AIR に統一される予定です。
エージェントセッションのデフォルトを CLI / TUI に
Claude や Codex のデフォルトは Chat(GUI)モードです。機能が豊富で軽快な CLI/TUI が好みの方は、エージェントワークベンチの設定項目「Open sessions in」で Terminal を選択すると、デフォルトが CLI/TUI になります。

エージェントセッションのコスト情報を表示
「セッションビュー」の中の、Show session cost in Agent Sessions を選択

Agent Sessions ツールウィンドウの表示位置の調整
実行中のエージェントは Agent Sessions ウィンドウで管理されます。頻繁に使うツールウィンドウなので、見やすい場所に移動しておくことをお勧めします。初期状態では IDE 右側に位置していたり、右側の「⋯」「他のツールウィンドウ」に隠れている場合がありますので、必要に応じて移動させてください。


IDE MCP サーバーのセットアップ
こちらは Air Alpha そのものの設定ではありませんが、JetBrains IDE の様々な機能をエージェントが使えるようにするための追加設定です。Android Studio をお使いの場合 MCP Server プラグインはバンドルされていないので事前にプラグインのインストールが必要です。
- 「設定 | ツール | MCP サーバー」を開き、「MCP サーバーを有効化」をクリックします。
- 「クライアントの自動構成」で、Claude Code や Codex など、使用するクライアントの「自動構成」をクリックします。これにより、クライアントの JSON 設定が自動的に更新されます。
- MCP の構成を反映するため、対象のコーディングエージェントを再起動します。

MCP Server プラグインは、2025.2 以降の IntelliJ IDEA などの JetBrains IDE では標準でバンドルされ、有効になっています。MCP サーバーの設定が表示されない場合は、「設定 | プラグイン | インストール済み」で MCP サーバープラグインが無効になっていないか確認してください。他の JetBrains IDE での対応状況や詳しい構成方法については、MCP サーバーのドキュメント をご確認ください。
Air Alpha の使い方
お好みのエージェントを IDE 内で起動
Air Alpha をインストールすると、ローカル環境にインストール済みの CLI エージェントが検出されます。Claude Code や Codex CLI などをすでに使っている場合、設定も含めてそのまま使うことができます。
IDE 上部のメニューまたは Agent Sessions ツールウィンドウから利用したいエージェントを選ぶと、ソースコードと同じ領域でセッションを開始できます。ターミナル領域や AI Assistant のチャット領域より広く見やすいのと、エージェントセッションのタブやソースコードと同じ感覚で切り替えることができるので、IDE に慣れているほど便利さを感じやすいと思います。

クイックプロンプト
Ctrl キーを 2 回押してクイックプロンプトを開き、エージェントを実行することもできます。例えば、コードを選択後、Ctrl キーを 2 回押すと、選択箇所がコンテキストとして自動的に渡せるので、特定のコードやエラーに対する修正や調査を頼む際に便利です。

Agent Sessions ツールウィンドウで複数のセッションを管理
Air Alpha では、実行中または完了したエージェントセッションを Agent Sessions ツールウィンドウに表示、管理できます。たとえば、1 つのセッションで特定の機能を調査している間に、別のセッションでテストを追加するといった使い方が考えられます。セッションがソースコードのタブと同じように扱われるため、IDE を人手によるコーディングだけでなく、複数のエージェントを動かすコクピット感覚で利用できます。
セッション一覧で入力待ちが発生している場合、以下のように青色ライトと「返答が必要です」というメッセージが表示されます。

あるセッションの実行中に、Agent Sessions 内の他のセッションをダブルクリックすることにより、切り替え・完了のセッションの再開ができます。

エージェントセッションのフィルターで、サブエージェントや変更された項目などの表示のオン・オフを調整することも可能です。


よく使うエージェント&設定をプリセット登録
Air Alpha のエージェント起動メニュー内「プリセットの管理…」からエージェントへの事前プロンプト(Injected instructions)、使用するモデル、Effort レベル、動作モード(チャット/GUI or Terminal)などをプリセット登録できます。これにより「このタスクではこのエージェントと設定を使う」「コードレビューではこの指示を使う」といったワークフローの標準化にも応用できます。


他のツールや ACP エージェントの追加
Air Alpha ではコーディングエージェントがチャット/GUI モードで動作するためには ACP エージェントのインストールが必要です。また、Codex や Claude 以外のエージェントを ACP registry からインストールすることが可能です。ACP エージェントはセッション開始メニューの「 Add Agents…」から追加できます。

Air Alpha のメリット
GUI or CLI/TUI の選択の自由
エージェントとのやりとりは、チャット形式の GUI と、CLI/TUI で行うことができます。
GUI では AI Assistant と同様な IDE に統合された操作感でエージェントを利用できます。一方、Claude Code や Codex CLI の操作に慣れている場合は、Terminal モードでターミナル UI を IDE 内のメインエリアで表示できるので、ターミナルと IDE との行き来きを減らせる点が魅力です。
加えて、Terminal モードでは各コーディングエージェントの CLI を直接起動するため、Claude Max など、すでに契約しているサービスのサブスクリプションをそのまま利用できます。ただし、JetBrains Central CLI でエージェントを JetBrains AI に接続している場合は、各サービスのサブスクリプション枠ではなく JetBrains AI クレジットが使用されます。どちらの契約を使用したいかに応じて構成を確認してください。詳しくは「JetBrains AI で Claude Code / Codex CLI が利用可能に – JetBrains Central CLI の使い方」をご覧ください。
エージェントのセッションと変更内容を IDE 内で追える
個人的に最も大きなメリットだと感じたのは以下です。
- エージェントとの会話がソースコードと同じメインの作業領域に表示されていて見やすい
- 複数のエージェントセッションと、それぞれに関連するファイルや変更内容を IDE で見れる(ただし、見え方はエージェントにより異なる)
エージェントへの指示、実行中の確認、変更差分のレビューが同じ IDE 内で行えるので、ターミナルと IDE を往復するよりもコンテキストスイッチを抑えることができます。

Alpha 版の注意点とフィードバックのお願い
Air Alpha は名前の通り開発途中です。バージョンによっては、期待どおりに動作しない箇所や、既存ツールに比べて不足している機能があるかもしれません。また、UI や機能、対応エージェント、プラグイン名を含め、今後変更される可能性があります。
一方で、Air Alpha は、一定レベルに到達したと判断された機能をいち早く提供し、利用者からのフィードバックをもとに今後の方向性を検証し、製品の完成度を高めていくことを目的としています。気になった点や改善してほしい点があれば、ぜひ Reddit のスレッド や Air Alpha プラグインページ JetBrains 日本語窓口などからフィードバックをお寄せください。
まとめ:AI エージェント中心の開発を、使い慣れた IDE で
Air Alpha の魅力は、Claude Code や Codex など広く使われているエージェントを JetBrains IDE 上で CLI/TUI ネイティブで呼び出せ、セッション管理できることに加え、コードの確認、ナビゲーション、差分表示、そして MCP 経由のコード解析など IDE の総合力を強みを組み合わせている点です。これにより JetBrains IDE は「コードを書くための場所」から「AI エージェントを動かし、その成果をレビューするための場所」に変化しつつあると感じています。
普段から Claude Code、Codex、Junie などのコーディングエージェントと JetBrains IDE と併用している方は、ぜひお試しください。