Clion logo

CLion

A Cross-Platform IDE for C and C++

News Releases

CLion 2026.2 がリリースされました

Read this post in other languages:

AI エージェント用のデバッガースキル、デバッガー構成を単純化するデバッグプロファイル、C++26 のリフレクションのサポートが実装されました。

CLion 2026.2 がリリースされました。この C および C++ 用 JetBrains IDE の最新バージョンには、以下の主な機能が含まれています。

CLion 2026.2 は以下のリンク、Toolbox App、またはバージョン 2026.1 のパッチ更新からダウンロードできます。Ubuntu ユーザーの方はスナップパッケージとしてダウンロードすることも可能です。

CLion 2026.2 をダウンロード

AI エージェント用デバッガースキル

CLion 2026.2 では、AI エージェントがデバッガーに直接アクセスできるバンドルスキルが導入されました。エージェントがスタックトレース、ブレークポイント、変数の値を使用し、自律型ワークフローを中断することなく根本原因を調査することができます。

このスキルは GDB、LLDB、DAP ベースのデバッガーで動作し、ACP(Agent Client Protocol)互換のエージェントで使用できます。このスキルを呼び出すには、Claude Code では /clion-debugger、Codex では $clion-debugger を使用してください。今後のアップデートでは組み込み関連のデバッグ機能をさらに追加する予定です。

組み込み開発

STM32 バンドルマネージャーのサポート

STM32 組み込み開発環境をセットアップする際、現時点では具体的なツールや特定のバンドルバージョンのみが必要な場合にもオールインワン型の STM32CubeCLT パッケージをインストールする必要があります。CLion 2026.2 では新しい STM32 バンドルマネージャーである STM32 Cube CLI のサポートが追加されたため、CMake、ST-LINK GDB サーバー、GNU ツールなどの必要なツールのみをダウンロードし、IDE 内で開発バンドルを直接管理できるようになりました。

STM32 Cube CLI はターミナル、または Tools | STM32 Cube CLI(ツール | STM32 Cube CLI) で使用できます。この IDE では、WSL または SSH 経由のツールチェーンを扱う際にプロジェクトバンドルをすべての環境に一括インストールすることもできます。必要なバンドルが見つからない場合は CLion の CMake の出力に通知が表示され、対象のバンドルをワンクリックでインストールするためのアクションが提供されます。CLion 2026.3 ではさらに多くのオプションが追加される予定です。

ライブウォッチでの構造体と配列のサポート

ライブウォッチを使用すると、グローバル変数をリアルタイムで監視できます。のため、デバッガーを停止したり、プログラムの実行を中断したりする必要はありません。このリリースでは変数の型のサポートを拡張し、配列と構造体を検査できるようにしました。新しいボタンを使用することで、変数値の履歴をクリアして現在のデータに表示を絞り込むことも可能です。

デバッガー

デバッグプロファイルによるデバッガー構成の単純化

従来はデバッガーを構成する場合、さまざまな IDE の設定を操作する必要がありました。ハードウェアのインターフェースやプローブなどの特別なレイヤーを追加する組み込みプロジェクトでは、このような作業がさらに複雑化していました。

2026.2 では、すべてのデバッグ環境(ローカル、リモート、組み込み)を一元的に構成できる新しい設定セクションが提供されています。GDB、LLDB、SEGGER J-Link、ST-Link のすべての設定を Settings(設定)| Debugger(デバッガー)| Debug Profiles(デバッグプロファイル) で構成できるようになりました。







フィールドとグローバル変数のインスペクションの容易化

Threads & Variables(スレッドと変数)ペインでデバッグを行う際、CLion はローカル変数を自動的に追跡します。従来はフィールドとグローバル変数を検査するのに手動でウォッチを設定する必要があったため、検査対象が現在のコンテキストのみに関連する場合でも手間がかかっていました。

CLion 2026.2 にはフィールドとグローバル変数と共にローカル変数を自動的に表示し、それらを視覚的に区別しやすくする新しいデバッガーの設定が導入されています。この機能はデフォルトで有効化されていますが、 Settings(設定)| Build, Execution, Deployment(ビルド、実行、デプロイ)| Debugger(デバッガー)| Data Views(データビュー)| C/C++ | Variables(変数)で無効化することも可能です。

構成固有のブレークポイント

マルチプロセスシステムをデバッグする際や複数の異なるターゲットプラットフォームを扱う際、複数の構成でブレークポイントを管理するのが面倒になる場合があります。あるプロセスやターゲットに設定されたブレークポイントが、別のプロセスやターゲットで予期せずトリガーされてしまう可能性があります。

CLion 2026.2 ではこのような場合に問題の切り分けや診断を行いやすくする機能が導入され、 Breakpoints(ブレークポイント)ダイアログ(Run(実行)| View Breakpoints(ブレークポイントの表示))で特定のデバッグ構成にブレークポイントを割り当てられるようになりました。この構成が有効である場合、デバッガーは割り当てられたブレークポイントのみで停止し、他のブレークポイントは無視するようになります。





Linux および macOS での Natvis のサポート

以前、macOS と Linux のユーザーがデバッガーでの型の可視化を改善する場合、LLDB 用の Python データフォーマッターを記述する必要がありました。これは非常に時間がかかり、エラーが発生しやすいプロセスです。CLion 2026.2 では、macOS と Linux 向けの Natvis のサポートが追加されたため、その必要がなくなりました。希望する型の表示方法を Natvis ファイルに数行で記述すると、残りの処理は CLion のデバッガーが行います。

この機能は、プロジェクトルートおよび IDE 設定で指定された追加ディレクトリに .natvis ファイルがあるプロジェクトで使用できます。また、バンドルされている LLDB またはカスタム LLDB のみで機能します。カスタム LLDB を使用している場合は、Python 3.10 以降が含まれることを確認してください。

Natvis のレンダリングを有効化するには、Settings(設定)| Build, Execution, Deployment(ビルド、実行、デプロイ)| Debugger(デバッガー)| Data Views(データビュー)| C/C++ に移動し、 Enable Natvis renderers for LLDB(LLDB で Natvis レンダラーを有効にする)をオンにします。

Natvis のサポートは Rider でも提供されています。詳細は、Rider チームによるブログ記事をご覧ください。

ビルドツールとプロジェクト形式

Bazel サポートの改善

Bazel for CLion プラグインの開発とメンテナンスを Google から引き継いでから約 1 年が経過しましたが、当社は引き続き安定、軽快、かつ直感的な Bazel 開発を行えるようにしています。このリリースでは、このプラグインに以下のような複数の改善が導入されています。

  • 同じファイルに複数の構成が存在する場合、構成を切り替えられるようになりました。従来は既存の CLion Classic エンジンを使用しているユーザーのみが切り替え可能でした。
  • プラグインがターゲットのデバッグや実行時に正しい構成を自動的に選択し、アクティブなターゲットに合わせて常にコードインサイトを反映するようになりました。

CMake ターゲットの名前変更を容易化

CMake ターゲットは add_executableadd_library などのコマンドで作成された実行可能ファイル、ライブラリ、およびユーティリティです。従来は CLion でターゲット名を変更する場合、そのすべての出現箇所を手動で編集する必要がありました。このリリースでは Rename(名前の変更)リファクタリングアクション(Shift+F6)を使用することで、CMakeLists.txt ファイル内で自動的にターゲット名を変更し、 ターゲット名のすべての定義と使用箇所をプロジェクト全体で更新できるようになりました。

バンドルのツールチェーンに関する更新

CLion にバンドルされている複数のツールを更新しました。

  • CMake が v4.3 に更新されました
  • GCC が v15.2.0 に更新されました
  • GDB が v17.1 に更新されました
  • Mingw-w64 が v13 に更新されました

言語機能に関する更新

新しい C++ 機能のサポート

C++26 のリフレクション: C++26 のコンパイル時リフレクションは、ここ数年で最も重要なこの言語の追加機能のひとつです。従来は構造体メンバーのリスト表示や列挙値から文字列への変換などを行う際、コンパイル時にコードが型、関数、またはメンバーに対する検査や反復処理を必要とする冗長なボイラープレートの作成が必要になる場合がありました。C++26 のリフレクションはコンパイル時に型、関数、変数、およびその他の宣言に関する情報にアクセスする標準的な手段をプログラムに提供することで、このような反復的なコードを削減しています。

GCC 16.1 以上を使用している場合、CLion 2026.2 はリフレクションに対応したハイライトとコード解析を追加します。この追加により、IDE が C++26 のほとんどの機能をサポートするようになりました。詳細はブログ記事をご覧ください。

リフレクション関連の機能: リフレクションのサポートに伴い、以下の関連する 2 つの C++26 言語機能が追加されました。

  • IDE は consteval { ... } ブロックをサポートするようになりました。このブロックはコンパイル時に評価され、エンクロージングスコープに宣言を注入することができます。consteval ブロックを使用すると、コンパイル時の副作用を正しく呼び出すことができるため、特にリフレクションを使用した実用的なメタプログラミングで役立ちます。
  • ユーザー定義のアノテーション</0>を宣言に添付し、リフレクション API 経由でクエリできるようになりました。カスタムメタデータによるコード生成が可能になります。

constexpr の評価: CLion 2026.2 では constexpr 評価機能が拡張され、2 つの重要な機能が実装されました。

  • 評価機能では、定数評価時の動的なメモリの割り当てがサポートされました。これは C++20 で導入された機能です。これにより、new/delete を使用するか、std::vectorstd::string のような標準コンテナーを使用する constexpr コードを正しく評価することができます。
  • 評価機能では、C++26 の constexpr 例外がサポートされ、定数評価時に try/catch および throw 式を処理できるようになりました。

CLion Classic エンジンの廃止

IDE で古い C および C++ エンジンである CLion Classic が廃止され、JetBrains Marketplace のプラグインとしてのみ提供されるようになりました。これをもって CLion Nova への移行が完了し、このエンジンが全ユーザーのデフォルトのエンジンになりました。この決定の理由については、こちらのブログ記事をご覧ください。

CLion Classic を引き続き使用するには、Settings | Plugins | Marketplace(設定 | プラグイン | Marketplace)から C/C+​+​ Language Support via Classic Engine プラグインをインストールしてください。CLion Classic はすでに開発が終了しており、新しい言語機能はすべて CLion Nova 専用に開発されています。

その他の更新

Git に関する改善

  • Git 競合の解決の合理化: 大規模なプロジェクトではマージする際に多数の競合が発生しがちです。Resolve All Simple Conflicts(単純な競合をすべて解決)は、ファイルを 1 つずつ開かず、標準的な競合を変更セット全体でまとめて自動的に解決する新しいアクションです。新しいフローでは、解決済みのファイルと未解決のファイルの概要も確認できます。




  • Git ワークツリーのサポートの強化: WSL 環境でワークツリーを使用し、削除されたワークツリーを IDE から直接除去し、より信頼性の高いワークツリーの削除処理を利用できるようになりました。
  • コードレビューでのユーザー名の自動補完: コードレビューのコメントで @ を入力することで、GitHub または GitLab リポジトリからユーザー名の自動補完候補を取得できるようになりました。

ターミナルの改善

  • ファイルとフォルダーのドラッグアンドドロップ操作のサポート: ファイルまたはフォルダーをターミナルに直接ドラッグして現在のコマンドにパスを挿入したり、ターミナルのタブにドロップしてその場所をルートとする新しいタブを開いたりできるようになりました。クリップボードの画像をサポート対象の CLI エージェントセッションに直接貼り付けることも可能です。
  • MCP セットアップの高速化: MCP サーバーが構成されていない状態でターミナルで新しい AI セッションを開始すると、CLion が MCP サーバーのセットアップを促し、関連する設定に直接遷移するようになりました。

修正されたバグ

以下はこのリリースにおける主な修正点です。

  • Project(プロジェクト)ツールウィンドウ内の外部ソースの UI 改善: 外部ソースファイルとプロジェクトのソースに同じ名前を使用している場合、Project(プロジェクト)ツールウィンドウ内でそれらを区別するのが困難な場合があります。これは、長いファイルパスを使用する組み込みプロジェクトでは特に顕著です。CLion 2026.2 ではすべての外部ソースを専用のノード配下にまとめることで、プロジェクトのファイルと区別しやすくしています。
  • Machine Learning Code Completion プラグインのサポートを非推奨化: AI 補完、次の編集提案、およびエージェントがインテリジェントな支援機能に対応し始めたため、ML ベースの補完のランク付けを行うプラグインのバンドルが廃止されました。このプラグインは引き続き必要に応じて JetBrains Marketplace から入手することができます。

CLion を試した感想をお聞かせください

CLion 2026.2 をぜひお試しください。有効なサブスクリプションをお持ちの場合は、すぐに更新できます。CLion は初めてですか? 非商用または教育プロジェクトでは、IDE を無料でご利用いただけます。それ以外の方も無料 30 日間体験版を開始して、すべての最新機能や改善された機能を体験することができます。

当社はユーザーのフィードバックを重視しています。ご意見がある場合や問題に遭遇した場合は、以下のコメント欄、X、または課題トラッカーにてお知らせください。

CLion 2026.2 をダウンロード

オリジナル(英語)ブログ投稿記事の作者:

Oleg Zinovyev

Oleg Zinovyev

Discover more