PyCon JP 2026 来場者の声から見る、Python 開発と AI 活用のいま
JetBrains は今年も PyCon JP 2026 (広島) にブースを出展し、会場を訪れてくださった 4 名の Python エンジニア・学生の皆さんにインタビューを実施したほか、ブース来場者を対象にアンケート調査も行いました。本記事では、インタビューで伺った生の声と、JetBrains ブースにて実施した開発者アンケートの結果をあわせてご紹介します。
🎙️ 開発者インタビュー
4 名のブース来訪者の方々に、Python 開発や AI 利用についてリアルな声を伺いました。
1. シオンさん(学生)
学生でありながら、インターンや個人開発を通じてインフラ・アプリケーション開発の両方に携わっているシオンさん。JetBrains 製品との出会いは中学 2 年生のときに触った Android Studio だったそうで、そこから JetBrains 系ツールが「第一選択肢」に。デフォルト設定のままコードジャンプやコード解析がしやすい点を評価しつつ、軽量な作業では VSCode も併用するなど、用途に応じた使い分けが印象的でした。AI コーディングでは、Claude や Codex、最近登場した Kimi CLI まで幅広く試しているとのこと。
2. 江村さん (バックエンドエンジニア)
AWS の API Gateway・Lambda 環境で Python をランタイムとして使う江村さん。IDE 選びでは VSCode と PyCharm を比較検討した末、「直感」と「見た目のかっこよさ」でPyCharm を選んだというエピソードが印象的です。社内での AI 活用はまだ試験段階 (利用者は約 10 名)で、AI が生成したコードも人が書いたコードも、コードレビューを必ず行うというルールを大切にしているとのこと。プロダクトの歴史が長くファイル数が多いため、PyCharm の読み込み速度向上に期待が寄せられました。
3. Yuun さん
韓国出身で日本企業に勤務し、主にチャットボットアプリの実装で Python を活用しているYuun さん。かつては PyCharm ユーザーでしたが、ライセンス更新のタイミングで VSCode に移行。AI 登場前は、Python のリンター対応の充実が PyCharm の魅力だったと振り返ります。現在は AI が提案する設計案にフィードバックを重ねるスタイルでコーディングをしており、社外秘情報の漏洩リスクをセキュリティ面での懸念として挙げていました。
4. 森田さん (ソリューションコンサルタント)
海外企業にフルリモートで勤務する森田さんは、エンジニア職ではないものの Claude Code などを活用して Python の知識を業務改善に役立てています。PyCharm は名前を聞いたことはあるものの未経験とのことで、「VSCode との違いを知りたい」という興味からブースへ。法人顧客情報を扱う業務のため、AI 利用に関する社内のセキュリティ規定は厳格で、ツールの使い分けを徹底しているそうです。
📊 数字で見る、JetBrains ブースでの Python エンジニアの方々
今回はインタビューだけでなく、JetBrains ブースにお立ち寄りいただいた 171 名の方から、普段の開発スタイルについても伺うことができました。ここではその中から、特に印象的だったポイントをいくつかご紹介します。
※氏名、メールアドレス、個別の勤務先など、個人を特定できる情報は含まれていません。
来場者の内訳はソフトウェアエンジニアが半数近くを占め、学生やデータエンジニア/データサイエンティストの姿も多く見られました。用途としては「Web 開発・バックエンド」が最多でしたが、「趣味・学習目的」もそれに迫る割合となっており、業務利用にとどまらず Python が幅広い層に使われている様子がうかがえました。
AI コーディングツールの利用状況
AI コーディングツールの利用についてもたずねた結果、Claude Code の利用率が突出して高く、ChatGPT や Gemini などのチャットツール、Codex、GitHub Copilot も一定数の利用が見られました。JetBrains AI (AI Assistant / Junie など) の利用は現時点ではまだ少数派で、伸びしろの大きい領域であることが分かります。
| AIコーディングツール | 割合 |
|---|---|
| Claude Code | 70.2% |
| ChatGPT/Gemini などのチャットツール | 42.1% |
| Codex | 34.5% |
| GitHub Copilot | 33.9% |
| JetBrains AI (AI Assistant / Junie など) | 9.4% |
AI 活用における懸念点
一方で、業務で AI を活用するうえでの課題として最も多く挙げられたのは「出力の品質・信頼性」でした。次いで「セキュリティ・社内規定」「コスト・予算承認」が続いており、ツールの導入そのものよりも、生成結果をどこまで信頼し、どうレビューするかという運用面の悩みが大きいことが見えてきました。この結果は、インタビューでも複数の方が口にしていた「レビュー体制」や「セキュリティ規定の厳しさ」とも重なる内容です。
💡 まとめ
今回のインタビューとブースでの声を通じて見えてきたのは、Python 開発における「使い分け」の文化です。PyCharm と VSCode、あるいはさまざまな AI エージェントとエディタを、プロジェクトの規模やセキュリティ要件、個人の好みに応じて柔軟に組み合わせている様子がうかがえました。
Python が Web 開発だけでなく学習・データサイエンス・自動化など幅広い用途で使われていること、そして AI コーディングツールの利用がすでに広く浸透していることもイベントを通じて確認できました。特に Claude Code の利用率の高さが目立つ一方で、生成結果の品質・信頼性やセキュリティ、社内ルール、費用面が AI 活用をさらに進めるうえでの課題として挙がっています。
