PyCharm 2026.1 の新機能
PyCharm 2026.1 へようこそ。このリリースでは機能が追加されただけでなく、Python プロジェクトのビルド方法、デバッグ方法、および拡張方法が見直されました。このバージョンでは debugpy を使用したまったく新しいデバッグエンジン、リモートターゲットでの最高水準の uv のサポートや無料利用枠における JavaScript サポートの拡張に至るまで、負荷をなくし、コードに専念できるようにすることに注力しています。作業場所がローカル、SSH 経由、Docker 内かを問わず、PyCharm が自身の環境ではなく、ユーザーの環境に適合するようになりました。
この記事では、このアップデートのハイライトを紹介しながら、前述の改善によって日々の作業の流れがどのように効率化されるかを説明します。
debugpy で今後のデバッグを標準化
PyCharm に debugpy をデフォルトのデバッガーバックエンドとして使用するオプションが追加されました。このバックエンドによって業界標準の Debug Adapter Protocol(DAP)が提供され、IDE をより幅広い Python エコシステムと連携できるようになりました。ソケットを待機する既存の複雑なロジックをより安定した接続モデルに置き換えることで、レースコンディションやタイミングのエッジケースでデバッグ作業が妨げられないようにしました。
Python 開発の基盤をモダン化
新しいエンジンは PEP 669 を完全に標準でサポートしており、Python 3.12 の低影響モニタリング API を使用するため、従来の sys.settrace() を使用する場合よりもデバッガーのオーバーヘッドが大幅に低下します。これにより、より高速で負担の少ないデバッグを可能にしています。さらに、この移行にって包括的な asyncio のサポートが導入されています。非同期コンテキスト内で FastAPI や aiohttp などのモダンなフレームワークに対応したデバッグコンソールや式の評価などのデバッガーツール一式を直接使用できるようになりました。
環境全体の信頼性
debugpy はパフォーマンスを改善するだけでなく、Docker コンテナー、AWS、Azure、または GCP 上のリモートサーバー、およびローカルで実行されるプロセスを標準化することで、Attach to Process(プロセスにアタッチ)の仕組みを単純化します。特殊なワークフローを想定した新しい Attach to DAP(DAP にアタッチ)実行構成を導入することで、 debugpy.listen() コマンドを使用してターゲットに接続できるようにしました。これにより、接続を手動で管理する手間をなくし、デバッグインフラストラクチャではなく、コードに専念できるようにしています。
uv のリモートインタープリターとしての使用をサポート
多くの開発者は SSH、WSL、または Docker を使用することで、リモートサーバーにコードと依存関係が存在するプロジェクトに取り組んでいます。PyCharm をリモートマシンに接続して uv をインタープリターとして使用することで、環境を完全に同期し、期待通りにパッケージを管理し、プロジェクトを円滑に運用することができます。使い勝手はローカルで作業する場合と変わりません。
すべてのユーザーが業務レベルのウェブ開発環境を無料で利用可能
PyCharm 2026.1 では IDE の基本機能がさらに進化しており、より幅広い業務レベルのウェブツールがすべてのユーザーに無料で提供されています。初心者からバックエンドファーストの開発者まで、すべてのユーザーが以前は Pro サブスクリプションでのみ提供されていた重要な JavaScript、TypeScript、および CSS の機能に加えて、高度なナビゲーション機能とコードインテリジェンスも使用できるようになりました。
すべての新機能の詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。
AI 統合における進歩
PyCharm は、任意の AI ツールを業務開発ワークフローへ自由に直接取り込めるオープンプラットフォームへと進化しつつあります。このリリースでは、現在利用可能な最高水準のモデルとエージェントをオーケストレーションできる柔軟なエコシステムを提供することに注力しています。
ACP レジストリ: 新しいエージェントへのゲートウェイ
新しいコーディングエージェントが毎日のように公開されており、急速な AI の進化に歩調を合わせるのは困難な場合があります。当社はユーザーの皆様がこの変化の激しい状況を乗り越えられるようにするため、ACP レジストリをリリースしました。このレジストリは、エージェントクライアントプロトコル経由で IDE に直接統合されている AI コーディングエージェントをまとめたディレクトリです。
OpenCode などのオープンソースエージェントや Gemini CLI などの専門ツールを使用して実験した場合、数回クリックするだけでそれらを見つけてインストールできるようになっています。独自の設定やまだレジストリにないエージェントを acp.json 構成を通じて簡単に追加できるため、特定のエージェントに縛られることなくお気に入りのツールを柔軟に使用できます。
OpenAI Codex の標準搭載と BYOK
OpenAI Codex が JetBrains AI チャットに標準搭載されました。そのため、複雑な開発タスクに取り組む際にブラウザーに切り替えたり、ウィンドウ間でコピーペースト操作を行ったりする必要がなくなりました。
また、BYOK(Bring Your Own Key)のサポートも導入しました。OpenAI、Anthropic、またはローカルモデルを含む他の対応プロバイダーの独自 API キーを IDE 設定内で直接関連付けできるようになりました。これにより、ワークフローと予算に最適な構成を選択しながら、あらゆる AI 駆動型開発を PyCharm 内で続行できるようにしています。
次の編集提案で作業の流れを維持
コードの小さな変更が機械的な修正作業を連鎖的に引き起こすことはよくあります。関数にパラメーターを追加したり、シンボル名を変更したりすると、ファイル全体でエラーが発生する場合があります。
次の編集提案(NES)は AI エージェントに完全な書き直しを依頼する場合とは異なり、よりスマートで軽量に動作する機能です。PyCharm はユーザーがコードを修正するのに合わせて最も可能性の高い次の変更をあらかじめ予測し、インラインで提案することができます。
- 負担の少ない一貫性の確保: Tab キーを複数回押すことで、ファイル全体にわたってすべての呼び出しサイトを更新できます。
- 常に変更を把握: 大量の自動生成された差分をレビューすることなく、複数の変更箇所を段階的を追って移動することができます。
- 利用枠は不要: NES は AI クレジット(JetBrains AI Pro サブスクリプションの AI 利用枠)を消費せずに使用できます。
この自然なコード補完機能の進化により、作業の流れが維持されます。そのため、小さな連鎖的な修正も簡単に感じられます。
上記のすべての更新内容は、PyCharm 2026.1 の新機能のごく一部に過ぎません。
パフォーマンスの改善、安定性の強化、日々の開発作業のさらなる円滑化と高速化に寄与する IDE 全体の細やかな改良など、内部ではさらに多くの更新が施されています。
更新内容をすべて確認するには、新機能ページをご覧ください。
いつものように、皆さんのフィードバックをお待ちしています。皆さんからのインサイトは PyCharm の未来を形成するために活用いたします。また、次に予定している開発についてもぜひお聞かせください。
オリジナル(英語)ブログ投稿記事の作者:
