Kotlin

DroidKaigi 2025 – Koog で広がる Kotlin とAI の可能性

こんにちは。JetBrains 堀岡です。

先日(2025年10月24日)、KINTOテクノロジーズ株式会社様主催、NATTO SYSTEMS様とJetBrains共催の『DroidKaigi After Party KTC×JetBrains×NATTOSYSTEM』に参加しました。このイベントでは、DroidKaigi 2025 のJetBrainsセッション『KotlinでのAI活用による開発』のうち Koog の部分に関する LT として発表を行いました。本ブログポストでは、LTで発表した内容のサマリーおよび、当日カバーできなかった内容の補足を紹介します。

DroidKaigi 2025 の 「KotlinでのAI活用による開発」セッション動画

JetBrains の Developer Advocate である Sebastian Aigner(@sebi_io) が DroidKaigi 2025 において Koog(JetBrains が開発する OSS の Kotlin 製エージェントフレームワーク) を紹介しているセッション動画はこちらです(前半部分は Márton Braun(@zsmb13) による JetBrains AI AssistantとAI コーディングエージェント Junie の紹介です。興味のある方は合わせてご覧ください)。

LT 発表資料

DroidKaigi アフターパーティーの LT では以下の資料で、元の英語セッションの振り返りと、 Koog への簡単再入門として、Koog 特徴の紹介や、ワークフローが定義され実行される様子を紹介しました。

私の発表中にも紹介しましたが、AIエージェント初心者だったので、今回の発表の準備のために人気の書籍「AIエージェント開発 / 運用入門 [生成AI深掘りガイド]」を読んでみました。書籍で紹介されているフレームワークは Langgraph や Mastra ですが、AIエージェントを理解する上で共通点は多く、Koog のドキュメント等の資料を読む上で役立ちました。

Google Slideはこちら

SpeakerDeckはこちら

また、さらなる学習のための参考情報の紹介を行いました(一部追記あり)。

Koog 公式サイト

サンプルコード

その他情報源

補足

以下、時間の関係上カバーできなかった点です。

個人開発やテストで使用するAPIキーについて
Droidkaigi の元の英語セッションでは、OpenRouter の使用がおすすめと紹介されていましたが、koog.ai のサンプルコードでは OpenAI の APIキー使用がベースになっているものがほとんどなので、OpenAI の API キーを準備するか、example のコードの promptExecutor を OpenRouter 用に変更する必要があります(例:発表で使用したサンプルコードの場合)。

前述の Koog の example として提供されている demo-compose-app プロジェクトでは Junie (JetBrains のAIコーディングエージェント)に以下のプロンプトで変更を依頼してみたところ、一回でうまく修正してくれたようです(IntelliJ IDEA 2025.2.4、JunieのLLMはGPT5を使用。環境によっては動作が異なるかもしれません)。

「現在APIキーの指定はOpenAIとAnthropicのみが許可されているようです。これをOpenRouterも利用可能になるように変更して。」 

JetBrains IDE の AIエージェント開発支援
PyCharmAI Agent Debugger Plugin が入っていると LangGraph のアプリを実行すると、LangFuseで見えるような、トレース情報の確認やグラフの可視化を行うことができます。Kotlin+Koog では現状同様なサポートはありませんが、今後 IntelliJ IDEA でのサポートが検討されているようです。

その他の発表

JetBrains のカスタマーサクセスエンジニアのチェン・ジアリさんによる「JetBrains AIとKMPでマルチプラットフォームの開発をもっと簡単に」- KMP 開発で JetBrains AI を試してみた例の紹介(発表資料)、KINTO テクノロジーズ様からは KMP の検討から活用までの事例紹介や AI/AR を開発中のアプリにどう組み込んでいるかといった発表がありました。

イベント資料一覧ページ

おわりに

Koog は、Kotlin の型安全性とマルチプラットフォーム対応の強みを活かし、複雑な AI エージェントのワークフローを宣言的に構築できる強力なフレームワークです。今後安定版に向かうにつれて、JVMのサーバーサイドアプリケーションでの活用や、Kotlin Multiplatform サポートによるモバイルアプリ対応との統合の機会が増えることが期待されています。ぜひサンプルコードを動かして、Kotlin による AI エージェント開発の世界に触れてみてください。

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