JetBrains Central のご紹介: エージェント型ソフトウェア開発向けオープンシステム
AI がソフトウェア制作のあり方に変化をもたらし始めています。AI エージェントはエディター内で開発者を支援するだけでなく、問題の調査、コードの生成、テストの実行、複数手順で構成されるワークフローの実行を行うようになりました。このような動作が拡大するにつれて、ソフトウェア開発は個々のツールやセッションにとどまらず、 複数の IDE、CLI、パイプライン、コラボレーションツールなどを横断して動作するエージェント、環境、ワークフローの分散システムへと発展しています。
この新しいモデルでは、コード生成は低コストであり、ボトルネックではなくなりました。本当の課題は、高まり続けるエージェント駆動型業務の運用面と金銭面の複雑さを管理しながら、結果を意図したものにすることにあります。このような要因を管理しなければ、システムの理解、拡張、および維持はより困難になります。
この移行は急速に進んでいます。2026 年 1 月に実施された JetBrains AI Pulse アンケートに回答した世界の 11,000 人の開発者のうち、90% が業務に AI を使用しています。コーディングエージェントの採用も加速しています。22% の開発者がすでに AI コーディングエージェントを使用しており、アンケートに回答した全企業の 66% が今後 12 か月以内に AI コーディングエージェントを導入することを計画しています。
しかし、AI による影響はほぼ個人の生産性のみに限定されています。コードレビューやリリースパイプラインなどのソフトウェア開発ライフサイクル全体で AI を使用していると回答したのは開発者の 13% 以下であり、組織は AI の利用を評価可能なソフトウェアの提供速度、システムの信頼性、コスト効率の改善につなげるのに苦労しています。
JetBrains Central: エージェント駆動型ソフトウェア制作のための制御・実行プレーン
JetBrains Central は、バラバラに存在していた AI ワークフローを、統合された一つの生産システムへと進化させます。ツール、エージェント、およびインフラストラクチャを連携させ、自動化された作業の実行、監視、および管理をチーム全体で行えるようにし、結果、コスト、パフォーマンスを明確化します。
開発者はすでに使用している JetBrains IDE、サードパーティ IDE、CLI ツール、ウェブインターフェース、統合などのツールからエージェントワークフローを開始し、管理することができます。エージェントは JetBrains のものや、Claude Agent、Codex、Gemini CLI、カスタムビルドのソリューションなどの外部エコシステムのエージェントを使用できます。
JetBrains Central には以下の 3 つの主な機能が備わっています。
- ガバナンスと制御
エージェント駆動型作業におけるポリシーの適用、ID およびアクセスの管理、可観測性、可監査性、およびコスト配分。これらの機能の一部はすでに JetBrains Central Console で使用できます。
- エージェント実行インフラストラクチャ
開発環境全体でエージェントを確実に実行できるようにするクラウドエージェントのランタイムと計算能力のプロビジョニング。
- エージェントの最適化とコンテキスト
リポジトリやプロジェクト間で共有されるセマンティックコンテキストにより、エージェントを関連するナレッジにアクセス可能にし、タスクを最も適切なモデルやツールにルーティングします。
JetBrains Central はモノリシックプラットフォームではなく、 開発者ツール、AI エージェント、および開発インフラストラクチャを連携する多層システムとして機能します。
このアーキテクチャはベンダーロックインのない AI 駆動型開発アプローチを可能にするため、組織はすでに投資したシステムを維持して拡張しながら、新しいツールとモデルを取り込むことができます。コストのかかるプラットフォームの再構成は不要です。

ソフトウェアデリバリーシステム全体のコンテキスト、セマンティクス、および統合
AI エージェント効果的に機能させるには、孤立した状態ではなく、実際のソフトウェア制作システムと組織のコンテキスト内で動作させる必要があります。
JetBrains Central はリポジトリ、ナレッジベース、デリバリーパイプライン、インフラストラクチャなどのソフトウェアの構築と実行が行われるシステムにエージェントを直接接続します。それにより、エージェントを独立した AI 環境内ではなく、既存の開発ワークフロー内で動作できるようにしています。
このシステムの中核では、コード、アーキテクチャ、実行時の動作、および組織のナレッジから継続的に情報を集計して構造化するセマンティックレイヤーが構築されています。これにより、エージェントがプロンプトレベルでの対話にとどまらず、ソフトウェアがどのように設計され、本番環境でどのように動作し、どのような結果が期待されるのかをシステムレベルで理解した上で動作できるようにしています。
JetBrains Central はこれを基盤にして個別のタスクに最適なモデル、ツール、および実行パスを選択しながら、インテリジェントなルーティングとタスクの最適化を行います。
エージェントはチームがすでに使用している Slack、Atlassian 製品、Linear などのツールを介して人間のチームメイトと連携します。これにより、エージェント駆動型ワークフローが孤立した AI ワークフローにならず、既存の開発システムに組み込んだ状態を維持できるようにしています。
JetBrains Air で人間とエージェントのワークフローを調整
最近リリースされた Air App は、開発者が開発環境から離れることなくタスクを構成し、エージェント支援型ワークフローを実行し、結果を確認できる専用のワークスペースを提供します。
JetBrains はチーム向けの Air Team を開発中です。これは、人間とエージェント間の作業を調整し、チームがタスクを構成し、複数段階のワークフローを実行し、システム全体で作業の発生に合わせて一貫性を維持することができる空間となるものです。JetBrains Central を基盤としており、これらの機能を日常的なチームのワークフローに取り込めるようにします。
AI ネイティブのソフトウェア制作システムの基盤
JetBrains Central は、個人開発者、チーム、および組織がソフトウェア開発分野で起きている移行を受け入れやすくするように設計されています。
個人開発者は好みのツールとエージェントを自由に使用できます。エージェントは複雑なエンジニアリングタスクを支援し、開発者はその開発プロセスと結果を制御することができます。
エンジニアリングチームは人間と AI エージェント間の作業を体系的に調整できます。タスクの構成、コンテキストの共有、複数段階のエージェントワークフローの実行を行うことで、作業を透明で確認可能な状態に維持したまま開発を高速化できます。
組織は AI 駆動型開発の可視性と制御を一元化できます。JetBrains Central では、チームとツール全体でポリシーの適用、セキュリティの制御、可監査性、コスト管理などの管理を行うことができます。
これらのレイヤーを 1 つの制作システムに統合することにより、AI 駆動の作業を予測しながら企業全体に拡大できます。
「当社はますますエージェントと AI 駆動への傾倒を深めており、それによってコストと管理をより明確化するニーズが生まれています。そのため、社内で JetBrains Central の導入試験を開始しました。これはまだ発展途上のプロセスではありますが、自社製品を使用して製品をより深く理解し、より優れた形にしていくという JetBrains における開発手法を反映するものです」
提供とデザインパートナー
早期アクセスプログラムは 2026 年第 2 四半期に開始され、実際のエージェント型ワークフローで JetBrains Central をテストしていただける少数のデザインパートナーを対象に提供される予定です。デザインパートナーとしての参加を希望する組織は、早期アクセスプログラムへの参加を申し込むことができます。
チームは JetBrains Central の進化に合わせて AI の使用規模を拡大または縮小し、チーム全体でリソースを分散しながら、開発優先順位の変更に応じて柔軟に使用量を変更できるようになります。この柔軟性を実現するため、近日中に組織向けの JetBrains AI 価格を更新する予定です。
JetBrains Central は、人間とエージェントがライフサイクル全体を通じて協力することで、市場化までの時間を短縮し、評価可能な結果の改善を得られるソフトウェア制作向けのオープンな AI ネイティブシステムに向けた第一歩となるものです。
AI がソフトウェア開発を置き換えることはありませんが、AI はすでにシステムとして再定義されつつあります。当社の目標は、このシステムが制御性、信頼性、実際の事業成果との整合性を維持し続けることを保証することにあります。


