CLion 2026.1 がリリースされました
AI チャット内の GitHub Copilot、Cursor、その他のエージェント、カスタムプロジェクト形式のサポート、TCP 経由の DAP によるデバッグなど
CLion 2026.1 では安定性と既存機能の改善に重点が置かれていますが、魅力的な新機能も導入されています。特に注目すべきは、AI チャット内で直接使用できるエージェントが増えたことです。これにより、CLion が AI ツールとワークフローのオープンエコシステムへと進化しました。
このリリース主な更新は以下の通りです。
- エージェントクライアントプロトコル(ACP)を介した GitHub Copilot、Cursor、およびその他のエージェントのサポート。
c_cpp_properties.jsonを使用するカスタムプロジェクトと VS Code プロジェクトの簡単な読み込み。- 外部 CMake プロジェクトのコードインサイト機能。
- Debug Adapter Protocol(DAP)をサポートするデバッガーへの TCP 接続。
- 新しいツールによる Bazel のサポート強化。

CLion 2026.1 は以下のリンク、Toolbox App、またはバージョン 2025.3 のパッチ更新からダウンロードできます。Ubuntu ユーザーの方はスナップパッケージとしてダウンロードすることも可能です。
AI ツールとワークフローに対応したオープンなエコシステム
Junie、Claude Agent、そして最近新たに追加された Codex に加えて、CLion の AI チャットでさらに多くの AI エージェントを直接利用できるようになりました。エージェントクライアントプロトコル(ACP) を介して GitHub Copilot、Cursor、およびその他多くのサポート対象エージェントを選択することができます。さまざまな AI エージェントにアクセスするために異なるツール間を移動したり、すべてのユースケースに適合しない単一のプロバイダーに縛られる心配をする必要はもうありません。
開始手順:
- Settings(設定)| Tools(ツール)| AI Assistant | Agents(エージェント)を開くか、AI チャットエージェント選択メニューで Install From ACP Registry…(ACP レジストリからインストール…)を選択します。
- 使用するエージェントを検索します。
- Install(インストール)をクリックします。
その他にも以下の注目すべき AI 機能があります。
- 個人の OpenAI アカウントや Anthropic アカウントを Bring Your Own Key(BYOK)で接続する機能。別途 JetBrains AI サブスクリプションを取得する必要はありません。
- 編集中にちょっとした分かりやすいコードの提案を取得し、レビューや適用が容易な明解な差分を得られるコンテキスト認識型提案。AI クレジットを消費せずに使用できます。
詳細は、AI Assistant のドキュメントをご覧ください。
ビルドツールとプロジェクト形式
CLion でカスタムプロジェクトと VS Code プロジェクトを簡単に開く
CLion であらゆる種類のプロジェクト(サポート対象外のプロジェクト形式も含む)や非プロジェクトファイルのコードインサイトを簡単にセットアップまたは微調整できるようになりました。この機能により、C/C++ プロパティをすでに使用しているユーザーが VS Code から移行するのが容易になり、CLion への移行をさらに円滑化できます。過去に VS Code で編集されたプロジェクトを開くと、CLion が c_cpp_properties.json ファイルの設定を認識します。このファイル内で設定が調整された場合は、その設定も適用されます。
新しいツールによる Bazel のサポート強化
Bazel for CLion プラグインの新しいアップデートにより、IDE の集中力を保ちやすくなり、外部の回避策が不要になりました。特に、構成移行の初期サポートを導入できたことは喜ばしいことです。これは、マルチアーキテクチャプロジェクトの処理の改善に向けた重要な一歩となるものです。このサポートは現時点では初期段階にありますが、今後のリリースでその機能拡充に取り組む予定です。
これらの改良に加えて、組み込みの REPL を使用して Starlark を直接試せるようになりました。

CLion にパフォーマンス解析用の実行ログパーサーの初回バージョンも搭載しました。
外部プロジェクトのコードインサイト機能
IDE が CMake ExternalProject_Add() セクションに定義されている外部プロジェクトに対し、完全なコードインサイトを提供できるようになりました。CLion はそのようなプロジェクトを本来の CMake プロジェクトの一部として読み込むため、外部プロジェクトを別途読み込まなくても、エラー検出、警告、使用箇所の検索、リファクタリングの機能にアクセスできます。この更新は、複数部分に分割されることの多い STM32、ESP-IDF、Zephyr などの組み込みフレームワークを使用する際に特に役立ちます。
CMake とビルドオプションのコード補完
CMake options(CMake オプション)と Build options(ビルドオプション)フィールドでコード補完が機能するようになったため、CMake プロファイルのコマンドラインオプションをより素早く指定できるようになりました。オプションの入力を開始すると、候補リストが表示されます。そのリストから必要なオプションを選択できます。

人間に分かりやすい CMake プリセット名
IDE の UI に表示される CMake プリセット名に CMakePresets.json で指定されている displayName 値が使用されるようになりました。以前は name 値が使用されていました。これにより、人間が読み取れる分かりやすい CMake プリセット名を使用できるようになりました。このプリセット名は CMake の設定、ツールウィンドウ、ツールバーウィジェットに表示されます。

CLion Nova のディスク消費量を削減
CLion のディスク消費量を大幅に削減しました。バンドルの C/C++ Language Support プラグインをインストールした後のディスク消費量がすべてのプラットフォームで平均 50% 減少しました。IDE による合計ディスク消費量は概して 1 GB 少なくなっています。
デバッガー
DAP デバッガーへの TCP 接続
バージョン 2025.3 では Debug Adapter Protocol(DAP)のサポートが導入され、CLion が LLDM や GDB だけでなく、より広範なデバッガーと通信できるようになりました。このリリースでは stdin/stdout に加えて、DAP デバッガーへの TCP 接続のサポートが追加されました。

TCP がサポートされたことで、連携する DAP デバッガーをより柔軟に選択できるようになっています。また、DAP デバッガーの要件に応じて Launch(起動)と Attach(アタッチ)の 2 つのモードから選択できるようにもなりました。DAP デバッガーの構成に関する詳細は、ドキュメントをご覧ください。
複数形式の数値
停止中のプログラムを調査する際に個々の変数の数値形式を変更できるようになりました。10 進数、16 進数、8 進数、または 2 進数に切り替えられます。これにより、人間が読み取りやすい数字、メモリアドレス、ファイル権限などの値を特定のユースケースに最適な形式で確認できるようになっています。

数値形式を変更するには、Threads & Variables(スレッドと変数)ペインで変数を右クリックし、View as…(指定形式で表示…)を選択して必要な形式を選択します。同じメニューからパディング形式も変更できます。
リモート開発モードでのデバッグの高速化
デバッガーアーキテクチャの全面的な改良により、リモート開発時のデバッグの応答性と安定性が大幅に向上しました。Debug (デバッグ)ツールウィンドウとブレークポイントが IDE フロントエンドでレンダリングされ、バックエンドがアクティブなデバッガーセッションをホストしてターゲットプロセスと通信するようになりました。ただし、まだ対応中の問題がいくつかあります。引き続きこの機能の改良を進める予定です。
バンドルの LLDB を更新
macOS ユーザーと Linux ユーザーに提供されているバンドルの LLDB バージョンが 19.1.7 から 21.1.7 に更新され、LLVM プロジェクトの最新のデバッガーの改善とバグ修正が取り込まれました。デバッガーの新機能に関する詳細な情報については、LLDB のリリースノートをご覧ください。
言語のサポート
CLion Nova でのコードの折りたたみの改善
コードを整理しやすくするため、IDE がエディター内の特定のコード構造を自動的に認識し、折りたたみ可能にするようになりました。従来、デフォルトの言語エンジンである CLion Nova では、既存の CLion Classic よりも少ないコードの折りたたみオプションしかありませんでした。このリリースではこのデフォルトのエンジンに完全に同等の機能が備わったため、より直感的で Classic ユーザーの期待に沿ったコードの移動操作と整理を行えるようになりました。
Meson のユニットテストのサポート
CMake プロジェクトの形式に依存しないユニットテスト統合の実現に向けて、大きな進展がありました。Meson プロジェクトで GoogleTest、Catch2,Boost.Test、および doctest の 4 つの主要テストフレームワークが完全にサポートされるようになりました。これにより、エディターからの直接的なテストの実行、専用ツールウィンドウでのテスト結果の参照、テストと実装間の移動など、以前は CMake プロジェクトでのみ提供されていた物と同じ包括的なテスト機能を使用できるようになっています。
新しい言語機能
以下は、CLion で使用できるようになった最新の C と C++ の機能です。
- C++26 と C23 で導入された
#embedプリプロセッサディレクティブを使用することで、バイナリリソースファイルのコンテンツを外部ツールやコード生成に頼ることなくソースコードに直接埋め込めます。 - CLion が C++23 で標準化された
bfloat16_t、float16_t、およびfloat128_t浮動小数点型をサポートするようになりました。 - C2Y(C の次期標準)の
_Countof演算子は配列の要素数を返します。 - IDE が GCC のネストした関数と Clang の
_Nullableおよび_Nonnullポインター null 許容性修飾子をサポートするようになり、コンパイラー固有の拡張機能との互換性が向上しました。
コーディング支援の改善
以下の新しいコードインスペクションにより、コーディングを効率化できます。
- CLion が C++20 の指示付き初期化子の順序が不正なインスタンスに加えて、仮想関数をオーバーライドしている場合のアクセスレベルの変更を検出するようになりました。

- 関数のアクセスレベル(
public、protected、またはprivate)が基底クラスでオーバーライドしている仮想関数と異なる場合に IDE が警告を表示するようになりました。

- Unused symbol(未使用のシンボル)インスペクションの対象が
.cppソースファイルで定義されているクラスメンバーに拡張されました。従来、このようなメンバーは外部に公開されているものと見なされ、Unused symbol(未使用のシンボル)の解析対象から除外されていました。このリリースではstatic関数や匿名の名前空間メンバーと同じように解析されます。

プラットフォーム関連の更新
キャレット移動の円滑化と新しい選択動作
エディターがモダンな雰囲気になり、視覚的な乱雑さや視神経の負荷が軽減され、長時間のコーディングセッションにより快適に取り組めるようになりました。以下は最も重要な変更点です。
- より滑らかなキャレットのアニメーションを実現する新しい Snappy モードと Gliding モードにより、移動操作を目で追いやすくなりました。
- ハイライトが空の行末を含まず、実際のテキストのみに適用されるようになりました。
- キャレットが Islands UI テーマに合わせて丸みを帯び、滑らかに点滅するようになりました。
Git ワークツリーのサポート
複数の Git ブランチを同時に操作できるようになり、ブランチの切り替えによる遅延がなくなりました。これは、複数タスクの同時実行が必要なエージェント型開発で非常に役立ちます。タスクごとに個別のワークツリーを作成できます。緊急のホットフィックスを処理すると同時に別のワークツリーを AI エージェントに割り当て、main ブランチでの作業を続行できます。インデックス作成を待機したり、コンテキストを失ったりすることなく、ワークツリー間を瞬時に切り替えられます。詳細については、こちらのドキュメントをご参照ください。

Code With Me のサポート終了
JetBrains は Code With Me のサポートを段階的に終了することを決定しました。この機能は、CLion を含む JetBrains IDE 内で直接リアルタイムの協働コーディングとペアプログラミングを行うことを可能にするものでした。この決定は、使用状況のトレンドを確認し、当社の長期的な方向性とのバランスを検討した上で行われました。この機能のサポートを終了することにより、最高の価値を生み出す部分に注力し、最近のチームの協働作業のあり方に適合できるようになります。サポート終了までの予定とよくある質問への回答については、こちらのブログ記事をご覧ください。
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CLion 2026.1 をぜひお試しください。有効なサブスクリプションをお持ちの場合は、すぐに更新できます。CLion は初めてですか? 非商用プロジェクトまたは教育目的でご利用予定の方は、IDE を無料でお試しいただけます。それ以外の方も無料 30 日間体験版を開始し、すべての最新機能と改善を体験することができます。
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オリジナル(英語)ブログ投稿記事の作者: