PhpStorm 2025.3 がリリースされました
PhpStorm 2025.3 へようこそ!
このリリースでは、Claude Agent のネイティブ統合、Laravel の標準サポート、PHP 8.5 のサポート、ジェネリクスの改善、新しい Islands テーマなどが導入されました。

PHP
PHP 8.5 のサポート
PhpStorm 2025.3 は、最近リリースされた PHP 8.5 で導入されたすべての変更をサポートしています。
これまでと同様に、プロジェクト言語レベルを PHP 8.5 に設定して新機能をお試しください。 言語レベルの変更は、設定(PHP | PHP language level(PHP 言語レベル))を開いて composer.json で要件を指定するか、PhpStorm の Switch to PHP 8.5 language level(PHP 8.5 の言語レベルに切り替え)クイックフィックスを使用することで行うことができます。

プロパティのあるオブジェクトのクローン
PHP 8.5 では clone が単独のキーワードから言語構造に変更され、配列を省略可能な第 2 パラメーターとして受け付けるようになりました。 clone が 1 つの式でオブジェクトをクローンし、そのプロパティを変更できるようになりました。また、PhpStorm はコード内の更新可能な構文の検出と置換を支援します。

また、PhpStorm 2025.3 では、clone が関数に昇格されて callable として使用される場合に clone を確実に正しく使用できます。

定数式でのクロージャ
PHP 8.5 では、従来は定数式のみを受け付けていた構文でクロージャを使用できるようになりました。 PhpStorm はコードチェックとクイックフィックスでこれをサポートし、クロージャをアトリビュートのパラメーター、定数とクラス定数、またはプロパティとパラメーターのデフォルト値として正しく使用できるようにします。



パイプライン演算子
PHP 8.5 のパイプライン演算子(|>)は、callable の左辺の戻り値を右辺に渡して複数の callable を連鎖させます。
PhpStorm はパイプライン演算子がコード内で確実に正しく使用されるようにし、連鎖したパイプ内の無効な callable、不適切な構文、互換性のない型、または型の不一致をハイライトします。

Xdebug の最新のリリースも PHP 8.5 のパイプラインをサポートしています。 PhpStorm でのデバッグセッションでは、PHP のパイプを通過する中間値を確認できます。
#[NoDiscard] アトリビュート
PHP 8.5 では、関数またはメソッドの戻り値を無視できないことを示す新しい #[NoDiscard] アトリビュートが導入されています。 PhpStorm でこのアトリビュートもサポートするようにしました。


その他の PHP 8.5 の機能
PhpStorm で新たにサポートされたその他の PHP 8.5 の機能をいくつかご紹介します。
- final プロパティ昇格:
finalが指定された__constructorパラメーターが昇格していると見なされ、他の昇格プロパティと同様に扱われるようになりました。

- static プロパティの非対称可視性: PHP 8.4 で実装されたオブジェクトプロパティの非対称可視性と同様のものです。
array_first()およびarray_last()関数: 配列の最初の値と最後の値を返します。- 定数に対するアトリビュート: const ステートメントで宣言されている定数を対象にできるようになりました。
ジェネリクスに関する改善
ネストしたジェネリック型のサポート
PhpStorm 2025.3 では、PHPDoc コメント内の型アノテーションに対するサポートがさらに強化されました。 これにより、ネストしたジェネリック型宣言(Inner<Inner<DateTime>> など)内の変数の型を推論できるようになりました。

この型を表示するには、必要な変数または式にキャレットを置き、Ctrl+Shift+P を押すか、メインメニューの View(表示)| Type info(型情報)を選択します。
Laravel
Laravel の標準サポート
先日、PhpStorm ユーザーを対象に Laravel Idea プラグインが無料になったことを発表しました。 PhpStorm 2025.3 では、この Laravel Idea プラグインを IDE にバンドルしています。 これにより、Laravel 開発を全面的にサポートする機能が PhpStorm に標準搭載され、プラグインを追加でインストールする必要がなくなりました。
Laravel Idea の開発者である Adel Faizrakhmanov は、今後 PhpStorm IDE に組み込まれて提供される新しい Laravel のサポート機能に引き続き取り組む予定です。
Pest 4 のサポート
PhpStorm 2025.3 は Playwright を使用したブラウザーテストを含め、Pest v4 テストフレームワークに導入されたすべての新機能の使用をサポートしています。
PhpStorm で ->debug() メソッドを使用してブラウザーテストをデバッグする際に一時停止中のテストを再開するには、テスト結果ツールバーの Continue Test Run(テスト実行の続行)ボタンを使用します。

JetBrains AI
JetBrains AI は IDE 内での AI の使用に関し、さらなる選択肢、透明性、柔軟性を提供するように進化し続けています。1 つのチャットインターフェース内で Claude Agent と Junie を使用し、IDE 内で AI クレジットを直接追跡できます。また、近日中に BYOK によって独自の AI プロバイダーキーを接続できるようにもなります。
マルチエージェントエクスペリエンス: Junie と Claude Agent
Claude Agent は JetBrains IDE にネイティブ統合された初のサードパーティ AI エージェントです。 このエージェントの追加により、JetBrains は開発ワークフローにさらなる柔軟性と性能をもたらすマルチエージェントエクスペリエンスを提供しています。 Claude Agent と Junie を同じチャットインターフェース内で使用し、タスク単位でエージェント間をシームレスに切り替えることによって適切な支援を得られるようになりました。
任意のエージェントを使用するには AI チャットで直接起動するのが最も簡単ですが、 必要に応じて Junie プラグイン(および一部の専用機能)の形で引き続き使用することもできます。

BYOK(Bring Your Own Key): より高い自由度と管理の実現 近日公開
BYOK は OpenAI、Anthropic、または任意の OpenAI 対応ローカルモデルの独自 API キーの接続を可能にします。それにより、JetBrains IDE でより柔軟に AI を使用し、使用方法を詳細に管理できるようになります。 JetBrains AI にログインせずにお気に入りの AI チャットとエージェントを使用できるようになるため、すでに API キーを所有しており、好みのプロバイダーと連携させたい開発者に最適です。 詳細については、こちらのブログ記事をご覧ください。
この機能は、次期 2025.3.x リリースで公開される予定です。
IDE 内での明確な AI 利用枠の追跡
AI クレジットの残量、更新日、およびチャージ残高を IDE 内で直接確認できるようになりました。また、クレジットがなくなった場合でも、IDE 内からチャージ手続きを行えます。
このアップデートによって AI リソースの監視と管理がより簡単になり、AI の使用状況の明確さと利便性が向上しました。
AI 利用枠については、こちらのブログ記事をご覧ください。
MCP サーバーセットアップの合理化
PhpStorm 2025.3 では、MCP サーバーの構成を他のツールからインポートする方法を改善しました。 mcp.json ファイルを含むプロジェクトを初めて開くと、PhpStorm によって構成済みの MCP サーバーが自動的に取得され、そのサーバーを IDE の設定内で表示するか有効化するかを求められます。

Laravel Boost のセットアップも改善しました。 PhpStorm がサーバー構成を自動的に選択するだけでなく、無効になっているサーバーの有効化を提案できるようになりました。
免責事項: ご利用の地域では一部の AI 機能の動作や提供状況が異なる場合があります。 詳細はこちらをご覧ください。
データベース
「コンソール」の名称廃止
2025.3 リリースより、PhpStorm とデータベースをサポートするその他の JetBrains IDE で「クエリコンソール」という用語の使用が廃止されます。 コンソールが実質的にファイルであることを UI に反映する時期が来たと判断し、今後は「クエリファイル」と呼ぶことにします。 また、以下のようにワークフローのさらなる単純化を行い、より見つけやすくし、整合性を高めました。
詳細については、こちらのブログ記事をご覧ください。
クラウドプロバイダーへの接続
PhpStorm がクラウドデータベースプロバイダーと連携するようになりました! 新しいバージョンでは、AWS、Azure、および Google Cloud アカウントを IDE に接続し、それらのアカウントにあるデータベースのリストを参照し、接続したいデータベースに接続することができます。 PhpStorm が新しいデータソースを作成し、すべての接続情報を入力します。
クラウドアカウントに接続するには、New(新規)| Data Source from Cloud Provider(クラウドプロバイダーのデータソース)をクリックし、クラウドプロバイダーを選択します。

IDE に接続されているすべてのクラウドアカウントが Data Sources and Drivers(データソースおよびドライバー)ダイアログの Clouds(クラウド)タブに表示されます。

ユーザーエクスペリエンス
Islands テーマ
PhpStorm のデフォルトの外観が Islands テーマになりました。 このテーマは単に視覚的に新しいだけではなく、開発エクスペリエンス全体を極限まで快適にすることを目指す当社の取り組みを反映するものです。

タブをすぐに認識できるようにし、エディターのコントラストを改善し、作業エリアを明確に区分けし、角丸のデザインを採用したことで、ソフトでバランスの取れた環境にしました。これは、開発者が集中してコーディングに取り組みやすくするという 1 つの目標を中心に設計されたものです。
詳細については、こちらのブログ記事をご覧ください。
ターミナルでの補完
ターミナルは開発者が日常的に使用するツールです。 このリリースで提供されるコマンド、オプション名、およびパスパラメーターを提案する補完機能により、ターミナルでの生産性が大幅に向上する可能性があります。 Git ブランチの正確な名前を思い出せませんか? 長いファイルパスが必要ですか? 特定の switch を忘れてしまいましたか?
入力を開始するだけで、PhpStorm が指定されたコマンドのパラメーターを提案してくれます。
オリジナル(英語)ブログ投稿記事の作者: