行全体コード補完とリモート開発の強化、新しい UI のデフォルト化などを施した各種 JetBrains IDE の 2024.2 バージョンがリリースされました
各種 JetBrains IDE、.NET ツール、および AI Assistant を多数の新機能と改善が導入された 2024.2 バージョンに更新できるようになりました。
新しい UI の採用率が高まっているため、各種 JetBrains IDE の 2024.2 バージョンではすべてのユーザーを対象に新しい UI をデフォルトに設定しました。 クラシック UI はプラグインとして利用可能です。 この更新に関する詳細は、こちらのブログ記事をご覧ください。
行全体コード補完(FLCC)が強化され、コードハイライト、長い提案に含まれる個別の単語と行を承認するための新しいショートカット、および形式の問題を解消するように改良された変更の統合プロセスが導入されています。
2024.2 では他にも以下のような UX 関連の変更が導入されています。
- Search Everywhere(どこでも検索)ダイアログの新しいコードベース要素の Preview(プレビュー)オプション。
- システムプロキシ設定の自動検出。デフォルトで有効になっています。
- Customize Main Toolbar(メインツールバーのカスタマイズ)ダイアログの新しいレイアウト。
- Linux ユーザー向けにウィンドウ制御の設定が自動的にデスクトップ構成に従うようになり、ウィンドウ制御ボタンのデザインが変更されています。
行の固定表示が言語を認識するようになりました。Settings(設定)/Preferences(環境設定)| Editor(エディター)| General(一般)| Sticky Lines(行の固定表示)またはコンテキストメニューで言語の設定を選択できます。
各種 JetBrains IDE の 2024.2 バージョンでは、JSON、XML、HTML、JWT、および URL の文字列変数ビジュアライザーによって複雑なデータ形式のデバッグと閲覧をはるかに簡単に行えるようになりました。このビジュアライザーは変数の横にある View(表示)リンクをクリックすると有効にできます。
2024.2 バージョンには、いくつかの VCS 関連の改善も含まれています。 Local History(ローカル履歴)ダイアログの UI に、ディレクトリにアクセスした場合の diff(Diff)ペインが備わり、Local History(ローカル履歴)アクションを同時に複数のファイルやディレクトリで使用できるようになりました。
Log(ログ)ツールウィンドウに関連するすべての設定が専用の設定ページにまとめられ、Settings(設定)/Preferences(環境設定)| Version Control(バージョン管理)| Log(ログ)でアクセスできるようになりました。また、Git ログをエディターのタブで開けるようになり、Log(ログ)タブのブランチ行が新しいレイアウトと色で改良されたため、識別と追跡がより容易になっています。
各種 JetBrains IDE のリモート開発も強化されました。 ローカルにインストールされている IDE で適用された設定の変更が JetBrains Client を介してリモート IDE にも自動的に同期されるようになったため、開発環境の一貫性が確保されるようになりました。 また、リモート開発に逆ポート転送を追加し、Code Wih Me での画面共有を共有したいウィンドウを指定してブラウザーにリダイレクトできるようにしました。
ウェブ開発機能により、JetBrains IDE で追加設定を行わずに、TypeScript ファイルの実行とデバッグを行えるようになりました。 また、Next.js、Nuxt、SvelteKit、Astro などの主要ウェブフレームワークのサポートも改善されています。
各種 JetBrains IDE の 2024.2 バージョンでは、中国語、韓国語、日本語のサポートが IDE にバンドルされるようになりました。 言語設定は Settings(設定)/Preferences(環境設定)| Appearance & Behavior(外観 & 振る舞い)| System Settings(システム設定)| Language & Region(言語と地域)で変更できます。
各 JetBrains IDE には IDE 固有の改善も導入されています。
IntelliJ IDEA 2024.2 Ultimate では、Spring Data JPA メソッドを IDE で直接実行して即座にリポジトリクエリ検証を行えます。 また、説明をインラインで提供し、高度な自動補完を使用できるため、cron 式の管理も単純化されています。HTTP クライアントは GraalJS 実行エンジンを使用するようにアップグレードされています。 さらに、このバージョンではプロジェクトのインデックス作成中に重要な機能が有効化されるようになったことで IntelliJ IDEA の全体的な起動効率が改善しています。現在ベータ段階にある K2 モードが統合され、Kotlin における IDE のパフォーマンスと安定性のほか、Kotlin 2.X の言語機能のサポートもさらに強化されています。
PyCharm 2024.2 には Jupyter ノートブック関連の改修が行われ、データ解析ワークフローの反復処理を高速化する新しい AI セルが導入されています。 新しいモデルの提案機能、データセットの対話型 DataFrame、およびモデル管理機能により、Hugging Face モデルをより効率的に操作できるようになっています。
WebStorm 2024.2 には、Next.js などのファイルシステムベースのルーティングによるフレームワークの特殊パス解決のサポート、Bun のデバッグサポート、.ts ファイルを直接実行する機能などが導入されています。
PhpStorm 2024.2 には IDE でのログファイルの直接表示、ターミナルへの Laravel、Symfony、および Composer コマンドの自動補完の追加、フローティングツールバーでのリファクタリング、初期状態での PER コーディングスタイルのサポートなどの多数の新機能が備わっています。
DataGrip 2024.2 では、JSON や Excel などの表形式データファイルからデータベースへのインポートをカスタマイズできるようになっています。 AI Assistant がユーザーのプロンプトを SQL に変換できるようになったため、新しい方法でクエリを書けるようになりました。 また、AI Assistant を利用してテーブルを変更したり、SQL の問題を理解して修正したりできるようになりました。 DataGrip の最新バージョンでは関連する行への移動が単純化され、値の自動補完や列選択操作が容易になっているなど、テーブルの操作性が改善されています。 最後に付け加えますが、Search Everywhere(どこでも検索)ポップアップの Database(データベース)タブが絞り込み機能と範囲の改善によって強化されています。
CLion 2024.2 には、ReSharper C++ 言語エンジン(別名 CLion Nova)が有効な場合に使用できる一連の新しい機能が導入されています。 新しい機能には、JetBrains Gateway を使用した SSH 経由のリモート開発、C++ の行全体コード補完、共同開発向けの Code With Me など、 開発エクスペリエンスの向上を目的とするその他の機能と修正も多数あります。 また、新しいバージョンでは Zephyr West のサポートが提供され、CMake プロジェクト関連の改善が行われています。 デバッガーでは GDB pretty printer に関する複数の問題の解決などの多数の修正が行われており、複雑なデータ型が分かりやすく表示されるようになっています。 また、GDB でのノード展開速度も改善されています。
Rider 2024.2 では、新しいタイプのコード補完が新たに導入されています。この機能は現在のファイルのコンテキストに基づいてステートメントを補完し、グレー表示で単一行の補完候補を提供します。 この LLM を使用した行全体コード補完は、C#、C++、JS/TS、および CSS に対応しています。 Rider のデバッグ機能が Tasks(タスク)タブとタスク依存関係グラフの導入により強化され、非同期操作の管理と監視を行えるようになりました。 ゲーム開発関連の更新には、Godot プラグインのバンドル化や Unreal Engine デバッグの強化などが含まれます。 このリリースでは、C# 13 の機能の初期サポートを含む .NET 9 Preview SDK のサポートも導入されています。
GoLand 2024.2 は、Add method to interface and all its implementations(メソッドをインターフェースとそのすべての実装に追加)リファクタリングや最新の Go 機能のサポートなどの新しい IDE 機能を導入しました。 このアップデートにはパフォーマンスの改善、リモート開発と Dev Container 関連の修正、および Go フレームワークのサポートの強化も行われています。
RubyMine 2024.2 には、Hotwire Stimulus のサポート、Kamal 構成ファイルの補完、レート制限とブラウザーガードに対応したコードインサイト、プロジェクトの SDK を切り替える提案、IDE から Ruby SDK をインストールする機能、AI 補完の改善、新しいターミナルでのコマンドの補完、RuboCop のカスタム構成などが備わっています。
DataSpell 2024.2 では、Jupyter ノートブックで必要な場合に AI Assistant を使用できるようになりました。 新しい AI セルを追加してコードを生成したり、ワンクリックで視覚表現を作成したり、解析の次のステップに関する提案を得たりすることができます。
Aqua 2024.2 では Python と Java 向けの Playwright サポートの導入、ロケーターの自動補完の強化、ウェブインスペクターで開いているページ上の要素検出の改善が行われました。
RustRover チームは、9 月に予定している 2024.2 リリースで最高の Rust 専用機能を提供できるように努めています。 詳細は後日提供いたしますので、ご期待ください!
ReSharper 2024.2 では、 ref struct
インターフェース、新しい \e
エスケープシーケンス、param
修飾子のリファクタリングなど、C# 13 機能の初期サポートを含む .NET 9 Preview SDK のサポートが導入されています。 C++ のサポートに C++23 の機能、ツールチップの型レイアウト情報、および Unreal Engine プロジェクトのサポートの改善が含まれるようになりました。 このリリースでは中国語、韓国語、および日本語の最初の段階のローカライゼーションのほか、パフォーマンスを改善する同期入力も行われています。
JetBrains AI Assistant 2024.2 では JetBrains 独自の大規模言語モデルによって Java、Kotlin、および Python 向けに大幅に改善が施された、より高速でスマートなクラウドコード補完が導入されました。 AI チャットが GPT-4o を使用するようになり、コンテキストの精度を向上するチャット参照が含まれています。 新機能には AI 支援による VCS の競合解決、ターミナル内でのコマンドの生成、ドキュメントやユニットテスト用のカスタマイズ可能なプロンプトなどがあります。 JetBrains IDE で AI Assistant を有効にし、これらの強化やその他の機能をご体験ください。 AI Assistant を使用するには、有効な JetBrains AI サブスクリプションが必要になることをご了承ください。
JetBrains IDE とその他のツールのバージョンを簡単に更新して管理するには、Toolbox App が最適です。
開発者エクスペリエンスの一環として弊社ツールをお選びいただきありがとうございます。
JetBrains チーム一同より
オリジナル(英語)ブログ投稿記事の作者: