CLion 2018.1 リリース: C++17、WSL、CMakeインストール、新しい言語のサポートなど!

CLion 2018.1 を発表致します!あらゆるプラットフォーム、特にWindows上で開発をしているC/C++デベロッパー向けにさまざまな機能強化と新機能を備えています。また、C/C++、Objective-C / Objective-C++、Rust、Fortranを使用する開発者にもさまざまな利点がございます。

800x400_blog_CL_2018_1_@2x_

詳細を参照して、30日間の無料体験版をダウンロードし、新機能を是非お試しください:

  • C++ サポートの改善: C++17 イニシャライザ付き If と switch 、C++17 構造化束縛 (structured bindings)など
  • Clang-Tidyオプションと.clang-tidy 設定サポート
  • Windows Subsystem for Linux (WSL) のサポート:コンパイル、実行、デバッグ、さらにValgrind Memcheckで実行
  • CMake:Install アクション、CMakeファイルテンプレート、非CMakeプロジェクトをエディタで開ける機能
  • エディタの機能拡張:コードの折りたたみ、パンくず、プロジェクトスコープ
  • VCS:Gitの部分コミット
  • 新しい言語サポート:Objective-C / Objective-C++、Rust、Fortran

新しい機能や拡張機能の概要については、Phil Nash による次の動画をご覧ください:

CLion 2018.1をダウンロード

C++サポート:C++17

私たちはC++に集中し、精度とパフォーマンスを含め、長期的に言語サポートの強化につながるいくつかの方向に取り組んでいます。私たちはCLionの現在の言語エンジンを変えられる複数の選択肢を検討しており、すでにいくつかの実験を行っています(2018.xバージョンで結果をご期待ください)。一方で、現在のソリューションは当社の主な焦点であり、v2018.1では次のような大きな改善点がございます:

  • C++17構造化束縛 (structured bindings) のサポート
  • C++17 イニシャライザ付き Ifswitch のサポート
  • Ternary operator のサポート
  • 階層のリファクタリング (RenameとChange Signature):

Rename siblings

さらに、インクリメンタルハイライトと入力ハンドラの主要な変更により、エディタのパフォーマンスが向上しました。

Clang-Tidy:柔軟性とコントロールの向上

Clang-Tidyは、CLionの独自コード解析を補完するパワフルなツールです。今回のリリースでは、コントロールの幅を一層広げました。

まず、modernize-use-nullptr のように、チェックに必要なオプションを指定できるようになりました。次に、IDEの設定の代わりに .clang-tidy configをCLionで使用することが可能になりました。 つまり、異なるチームメンバーが使用しているさまざまなIDEやテキストエディタに関係なく、チーム全体が同じClang-Tidyのチェックセットを使用できます。Preferences | Editor | Inspections | C/C++ | General | Clang-Tidyより設定できます:

Clang_Tidy

また、Clang-Tidyのバンドル版も更新し、デフォルトで有効のチェックセットを最適化しました。

WSL: Windows上のLinuxバイナリ

今回のリリースでは、Microsoft Visual C++コンパイラのサポートがデフォルトで有効になっています(Registryで有効にする必要はありません)。そのため、マシンにインストールされている場合は、簡単に使用できます。また、WSLサポートを追加することで、Windows上でサポートされているツールチェーンの数も増やしました。

WSLを使用すると、Windows 10マシンで作業中にLinuxバイナリをコンパイル、実行、デバッグすることができます。複数のLinuxディストリビューションがサポートされているため、お好みのものを選ぶことができます。WindowsマシンでWSLを起動し、CLionのツールチェーンに接続するだけです。CLionはWSLからCMake、make、GCC/G++コンパイラとデバッガを使用し、バイナリをビルドして実行します。

WSL_toolchain_settings
さらに、WSLツールチェーンのサポートには Valgrind Memcheck が付属しています。Windowsユーザーは次のようにご利用できます:

WSL_Valgrind_set

WSLをインストールしてCLion用に構成する方法については、こちらのブログ記事をご参照ください。

WSLはCLionでの完全なリモートサポートの第一歩です。そのため、SSH経由で実装されました。今後の2018.xリリースで、さらなるリモート開発機能をご期待下さい。

CMake: Install と 非CMakeプロジェクト

お約束どおり、CMakeプロジェクトモデルをCLionから切り離すプロセスを開始いたしました。結果としてCLionで 非CMakeプロジェクトの単一のファイルまたはフォルダを開くことができるようになりました。CLionはスマートなIDE機能を提供するにはまだCMakeプロジェクトが必要ですが、ちょっとCLionでC++コードを読み書きしたい場合には十分威力を発揮します。

また、CLionでのCMake統合にも引き続き取り組んでおり、CMake Install アクションをエディタに導入しました。Runメニューから実行するか、CLionのRun設定にInstallステップを追加できます:

cmake_install

そして最後に、’Create new file‘(Alt + Insert)で CMakeLists.txtファイルを作成するオプションが追加されました。生成されたファイルの内容は、Settings/Preferences | Editor | File and Code Templates のテンプレートで定義されています。そのため、プロジェクトやチームのニーズに合わせてカスタマイズすることができます。

エディタ:より多くのアクション、改善されたナビゲーション&プロジェクトスコープ

我々がC++のコードを書くときにはもちろんCLionを使用します。そこで我々が欲しい機能を思い付き、実装しています。便利なことはすでに確認済みですので、皆様にも気に入っていただけますと幸いです:

  • C/C++用ののパンくず:エディタ下部にあるこれらの小さなマーカーは、コードをナビゲートするのに役立ちます。名前空間、クラス、構造体、関数、ラムダを表示することで、コードのナビゲーションが簡単になりました。

breadcrumbs

  • コードブロックのUnwrap/remove:C/C++用に追加されたもう一つのIntelliJプラットフォームの機能です。if, else, for, while, do..while, forをアンラップ、またはネストされたステートメントの囲まれた部分を削除します。

Unwrap

  • コントロールステートメントのコードの折りたたみ:ユーザーの皆様の投票が最も多かったものの一つです。Shift+Ctrl+Period / Ctrl+= (Windows/Linux)または⇧⌘./⌘+ (macOS)を使用して、コントロールステートメント(if/elsedo/whilefor、またはswitchなど)を折りたたむことが可能になり、複数行のコードブロックまたはブレース内のコードブロックで折りたたむ/展開することができます。
  • メッセージツールウィンドウの設定:ビルド出力を表示するかどうか、Always Show on Build(常に表示)、またはAuto-Hide and Show on Warning/Error(警告/エラー時に自動的に表示)から選べるようになりました。

最後に、プロジェクトスコープ。多くの事前定義されたスコープ(プロジェクトソースファイル、プロジェクト非ソースファイル、および変更されたファイル)と、カスタムスコープを指定することで、プロジェクトビューで異なる角度でプロジェクトを見て、Find in Pathで結果を簡単にフィルタリングできます。

VCS: Gitの部分コミット

Gitの部分コミット(git add -p)は、一部の変更をバージョン管理システムにコミットして、後でコミットする変更を残しておく際に便利です。CLionはこれをUIでサポートするようになりました。コミットする際に、コミットするコードの塊を選択し、Commit Changes ダイアログの Diff ペインでチェックします。また、左のガターの変更マーカーを使用し、エディタから直接チェンジリスト間で変更を移動することもできます。詳細は、こちらをご覧ください。

add_to_changelist

C++以外にも:Rust、Fortran、Objective-C/C++

CLion 2018.1はObjective-CとObjective-C++をサポートしています。サポートされているものを確認してください。

また、RustとFortran用のプラグインもご利用可能で、更新されています。Rustには、Cargoビルドシステムのサポート(CMakeをCLionから切り離したおかげです!)とデバッガが付属されています。 FortranはCMake経由で動作し、FORTRAN 77 / 90 / 95 / 2003 / 2008のソースコードをサポートしています。これらのプラグインの詳細については、このブログ記事をご覧ください。

当社のウェブサイトで、全ての新機能をご参照ください。30日間無料体験版をダウンロードし、お試しください!

CLion 2018.1をダウンロード

Your CLion Team

JetBrains
The Drive to Develop

[原文Original text in English is written by Anastasia Kazakova

image description