YouTrack ナレッジベースを活用した開発プロセスにおける製品要件管理

投稿日 投稿者 Elizaveta Semakova

数多くの開発、マーケティング、製品、プロジェクトのチームが YouTrack を使用して素晴らしい製品を世に送り出しています。 そのためには、効率よく製品要件を管理する方法が必要です。 代表的なプロセスとしては、ユーザーストーリーとエピックの作成、ガントチャートを使ったプロジェクト計画の作成と把握、公開および非公開での機能リクエストの追跡、バグの修正、課題に関する他チームとの共同作業などが挙げられます。

しかし、その他にも方法はあります。 YouTrack の新機能であるナレッジベースを使用すれば、製品要件を直接管理し、製品要件ドキュメントを作成、管理、追跡できます。

ここではその使い方を見てみましょう!

製品要件ドキュメントが必要な理由

あなたがプロダクトオーナーである、製品を市場に出している、あるいはプロジェクトに携わるチームの一員であり、製品の機能や仕組みを知りたいと考えているのであれば、製品要件ドキュメントが往々にして主な情報源になるでしょう。

製品要件は、製品そのものを具体化する前にプロジェクトの初期段階で製品の一般的な目的、動作、特徴、機能特性を記述し、定義するものです。 しかし、これらを単純に書き留めるだけでは不十分です。 製品のビジョンは往々にして時間と共に変わるため、製品要件には複数回の調整や変更が加えられるものです。 その結果、製品を最新の要件に対応させ続けるために多くの時間を要することもしばしばです。

そのため、適切に設計された管理方法が重要になってきます。 正しい運用を行えば、重要なポイントを把握しながら変わりゆく要件をコントロールし続けることができます。

ここでは製品要件をスムーズに管理するための重要なポイントをいくつか紹介します。

将来的な要件に関するすべての情報源を収集する

白紙の状態からプロジェクトを開始するのは非常に困難な場合があります。 調査結果、潜在ユーザーからのフィードバック、すでに行った計画やブレストなど、将来の製品に関係するあらゆる情報を確実に収集するようにしてください。 この段階では、とにかく何でもかんでもかき集めるようにします。 後で重要度の低いものを除外し、重要なものを残すことはできます。

ご自身の開発プロセスに応じ、次のような要件の情報源を検討してください。

  • 事業戦略や製品の目的に関連する最新の資料。
  • 製品チームからの情報。
  • 戦略的調査や製品の市場適合分析といった研究の成果。
  • 潜在ユーザーからのフィードバック。 サポートチームに相談してください。多くの有益な情報を共有してもらえる可能性があります。
  • 競合分析。 他社は、すでにあなたが避けようとしている落とし穴に陥っている可能性があります。
  • インタビュー、アンケート、デモといった顧客相手のミーティング。
  • 自社の公開課題トラッカー(運用している場合)。
  • 製品やその機能の動作に関するご自身のビジョン。 自分の直感を過小評価しないようにしてください!

この段階での主な目標は、すべての情報を一箇所に集めることです。 YouTrack ナレッジベースの下書きを作成し、1つ以上の利用可能なオプション(研究調査の結果を Google ドキュメントに埋め込む、ユーザーのフィードバックを含む課題へのリンクを貼り付ける、製品戦略分析の結果を含むファイルを添付する)を使ってドキュメントにリンクしてください。

可能な限り多くの情報を収集したら、要件を取捨選択して管理しやすくしましょう。

最初のドラフトを作成する

製品要件の作成に関しては、標準やルールはほぼ存在しません。 ただし、当社で効果的に機能し、共通の理解を維持するのに役立ったいくつかの手法をご紹介することはできます。

  • 製品または機能の全体的な目標を簡単に書きます。
  • 担当者を任命します。これにより、各主要フェーズ(品質管理やデザインなど)で誰が窓口になっているかをすぐに把握できるようになります。
  • 目標とするリリースや期日を定めます。これにより、プロジェクトの範囲、スケジュール、時間の見積もりに関してチームメンバー全員が共通の認識を持つことができます。
  • 対応するエピックやユーザーストーリーを関連付けます。これにより、要件と実開発のつながりを維持することができます(エピックについては後ほど詳細に説明します)。
  • デザイン、インフラストラクチャ、動作仕様について要点を明確にします。

アイデアはできる限り単純明快なものにするように努めてください。 誰もが一度で理解できるようにする必要があります。 また、表や順序付きリストを使用してこの情報を構造化してください。

構造を利用して整理する

今度は要件を整頓し、探しやすくしましょう。

全文検索は、目的の情報がどこにあるかを正確に把握していない場合に役立ちます。ユーザーはキーワードを入力し、一致した記事を閲覧するだけで済みます。 ただし、検索の利用を強制するのではなく、誰でも簡単に要件を見て回りながら目的の情報を見つけられるようにしてください。

分かりやすいツリー表示の構造は要件の繰り返しや矛盾した要件を回避し、閲覧者が関連記事をすばやく見つけるのに役立ちます。 この時点では単一の構造レベルになっており、製品要件ドキュメント自体に加えて、戦略的資料を含むいくつかの関連文書があるのが普通です。 しかし、製品の開発が進むにつれて、この構造はかなり肥大化する可能性があります。なぜなら、顧客インタビューから得た分析データ、チームミーティングの結論などの新しい資料がどんどん組み込まれていくからです。 ですから、最初は全く必要性を感じなかったとしても、当初から分かりやすい構造を維持するのがよいプラクティスです。 例えば、後から追加することを想定したダミーのサブ記事をドキュメントに作成し、構造を作り上げることができます。

次に、必要に応じて、要件の記事を異なるページツリー間で移動し、組織のニーズに合った階層を構築することができます。

共同作業を開始する

他の人の意見や見解を聞く準備はできましたか? チームメイトや関係者の名前をコメントでメンションし、ディスカッションへの参加を促しましょう。 必要に応じて参加者に編集権限を付与し、提案をその場で追加したり、会話をコメントに保存したりできるようにすれば、ディスカッションがより透明なものになります。 いずれかの記事に変更があるたびに通知が届きます。

適切な人員を適切なタイミングで関与させることは重要です。 例えば、ステークホルダー全員が要件をレビューし、潜在的な懸念事項をFace to faceで話し合えるようなミーティングを開催するのは良いアイデアです。

要件が「適切に記述された」と見なされるために満たすべき条件がいくつかあります。具体的には、簡潔で、理解可能で、検証可能で、一貫性があり、実現可能であるということです。今一度(要件が記述された)記事をチェックし、必要に応じて要件を更新してください。 レビューと承認を終えた各要件に目印を付ける方法を統一しておくのが得策です。例えば、対応するコメントを残したり、重要事項の表にメモを追加したりする方法があります。

また、ミーティングの結果(議事録)を専用のサブ記事に残すこともお勧めします。 これにより、議題や結論、先延ばしになった課題などを思い出すことができるでしょう。

アジャイルの導入(またはウォーターフォールにおける注意点)

プロセスによっては、開発途中で製品要件を動的に変更したり、それぞれの新しい開発ステージが始まる前に変更を正式なものにしたりすることが予測される場合もあります。 開発プロセス全体を通して変更が発生すると予測される場合は、常にタスクに対する共通の理解を維持する必要があります。 新しい開発ステージが始まる前に変更が行われる場合、実装を開始する前に関係者全員が実装を承認しなければなりません。

アジャイルプロセスを実践する際は、変更が発生したら速やかに要件を調整するのが最善です。 つまり、最新の変更を常に把握しておく必要があります。 認識を共有するため、各イテレーションの後に顧客インタビューを実施することをお勧めします。 また、最も重要な事柄を優先するため、バックログの優先度にも注意を払うことをお勧めします。 また、これらは一人で実践するのではなく、適切なチームメンバーをディスカッションや顧客とのミーティングに関与させてください。

一方、ウォーターフォールモデルに固執するのであれば、後続の開発ステージに進む前に複数回のセッションを開催し、関係者全員に参加を呼びかけて製品要件をレビューすることをお勧めします。 そうすることで要件の矛盾を回避し、全員の認識を一致させることができます。

どちらのプロセスに従う場合でも、常に過去の記録をレビューして復活させることができます。

ストーリーの実現

実装プロセスを開始する準備はできましたか? YouTrack の課題タイプとリンクを使用してエピックを作成し、それをチームのためにより細かなタスクに分解してください。

要件を実際の機能と課題に変換することは、製品開発の重要なステップです。 この時点で一部の要件をレビューして再調整を行う必要があることに気が付くかもしれませんが、問題ありません。 要件を可能な限り現実的なものにするため、イテレーションを複数回レビューすることをお勧めします。

ウォーターフォールプロセスの場合は、YouTrack の別の計画機能であるガントチャートをご活用ください。 ガントチャートは可能な開始日とタスク間の依存関係を考慮し、プロジェクトの期限を予測するのに役立ちます。

アジャイルプロセスの場合は、すべてのエピックと分解後のタスクを一つの画面に表示する便利な概要表示を備えた YouTrack のアジャイルボード機能をお試しください。 エピックが機能全体を表現するのに対し、タスクは1 日から 3 日以内に完了できるくらいの小さなものにする必要があります。 ボード上でタスクに優先順位を付け、タスク間の依存関係を設定し、進捗を追跡してください。 私たちはこれが製品との完全な同期を維持するための最も効果的な手段の一つであると考えています。

複数のタスクからバックログを作成し(必要に応じてタスクを手動で並べ替えて重要度順に優先順位を付けてください)、それを要件ページに埋め込んでください。 バックログが記事から直接展開されるようになり、トラッカーとナレッジベースを頻繁に切り替える必要がなくなります。

おわりに

これらのヒントが皆さんに都合の良い方法ですべてをセットアップし、最終的に素晴らしい製品を提供するのに役立つことを願っています。

私たちは YouTrack のナレッジベースをさらに改善する方法をいくつか考えています。 一方で、皆さんがこの記事を読んだり、実際に製品を使って見た結果どのように感じたかに非常に興味があります。 私たちが製品要件を適切な方向に導き、皆さんに可能な限り最高の体験をお届けできるよう、アイデアをお聞かせください

YouTrack チーム一同より

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